コラム

ハードパックの特性

ハードパックは複数のセルと保護回路が組み込まれている電池パックを、プラスチック製のケースで収納しています。主に強度や防水などが要求される電池パックに使用されます。
身近な所ではノートパソコンやデジタルカメラ、携帯電話で使用されている、電池パックのほとんどがハードパックです。お客様自身で取外し、取付ができる電池パックと考えて頂くと分かり易いと思います。ハードパックの電池は、取り外して専用の充電器にて充電するものが一般的となっているからです。
必要な電圧、電池容量から複数のセルを組み合わせ、いろいろな用途に合わせた電池を作ることができます。中には数百個のセルを組み合わせることもあり、直列や並列にバランス良く接続しなければなりません。電圧のバランスが崩れてしまうと、放電量に差がでてきてしまいます。数百個もあるセルのうち、1個でも満容量になると、充電は完了されたと判断されてしまいます。その為実際には満充電できていない状態となり、すぐにバッテリが切れてしまうのです。セルのバランスをとることで、安全に長期間使用することができます。

また過放電や過充電により、正極・負極が誤作動を起こし、熱的分解反応が生じてしまいます。温度の上昇による電池の燃焼や破壊を防がなければなりません。設計の技術によりこのような問題から回避し、リチウムイオン電池の寿命を延ばすことができます。

ハードパックのプラスチックケースにはモールド金型が必要となります。モールド金型とはプラスチックを成型する金型のことです。射出成形機内の金型に、プラスチックの材料を溶融した物を流し込み冷却して固めます。このプラスチックケースの金型により、落とした時の強度にも耐えられる丈夫なハードパックが作られるのです。携帯電話のような小さなものから、産業用機械などの大きなものまで多種多様にハードパックは使われています。最近ではハイブリットカーにも使用され、ますます需要が伸びることでしょう。

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