単セルを何枚か組み合わせたものと制御基板をシュリンクチューブでカバーしている電池パックをソフトパックと言います。リチウムイオン電池には円筒型と角型、ラミネート型といった種類があります。正極と負極の間にセパレータを挟み、リチウムイオンが正極・負極を行ったり来たりできるようにします。それらをバームクーヘンの様に何層にも重ねて巻いていき、円筒型の鉄缶に入れ、負極を缶底に溶接し電解液を注入。正極をキャップに溶接しプレス機にて封口します。円筒形は低コストで同じ体積でも高容量が得られます。
角型の場合電極は扁平型に巻かれアルミ外装缶に正極が溶接されます。レーザー溶接で封口します。鉄缶と違い軽量の為、薄型の電池が可能となります。しかし、放電サイクルや高温保存の為、缶の厚さが厚くなってしまいます。厚さの変化による隙間を計算に入れなければなりません。ラミネート型は正極とセパレータ、負極を交互に平面上に重ねた構造になっており、放熱性に優れています。
このように様々な形の電池でも、熱により収縮するシュリンクチューブであれば、しっかりとカバーすることができます。ハードパックのようにプラスチックのケースには入っていないので、金型作製の為のコストが抑えられるのが特徴です。セルは7セルと14セルのものが一般的ではありますが、容量や電圧の用途に合わせたセルを組み込み作成することもできます。
ソフトパックは機械の内部に組み込まれた電池パックとして使用しているものが多く、日常目にすることは少ない為、イメージが湧きにくいと思います。コードレス電話の子機や計測器、自分で充電して掃除するお掃除ロボットなどにはリチウムイオン電池のソフトパックが使用されています。機械ごと充電器に載せたり、専用のACアダプターから電圧を入れて充電します。ソフトパックの場合誤ってシュリンクチューブを剥いでしまったり、落下によりセルや保護回路を壊してしまわない為にも、機械から電池パックを取り外すことはありません。