コラム

ハイパワーパックの特性

高い電圧と電流が求められるハイパワーパックは、産業機器用に複数のセルを組み合わせて作られています。リチウムイオン電池は二次電池の中で最も高いエネルギー密度があります。メモリー効果がない為、継ぎ足し充電も可能となりました。高速充電ができ、幅広い温度帯で放電することができます。

建設現場では電源のない所で電動工具を使用する為、高電圧・高電流のリチウムイオン電池が求められています。医療機器にも多く取入れらており、中でも電動車椅子は今ではよく目にすること思います。更に電気自動車やハイブリットカー、人工衛星などにも使用できるようになりました。
これだけ大きな電力を持つハイパワーパックを作製するには、設計技術と安全管理の知識が必要となります。繰り返し充放電を行うチウムイオン電池は、過充電・過放電・過電流の熱による発火・爆発に気を付けなければなりません。セルのバランスが崩れていると温度が上昇してしまいます。
特にハイパワーパックのように大型のセルを使用する場合は、セルのバランスを調整するのが難しく、BMSの設計・製造の技術が必要とされます。

リチウムイオン電池は、正極と負極の間を行き来することで充放電を行っています。その移動経路には有機溶媒が使われているのですが、高速充電を行うと電解液が分解し、化学反応を起こし燃焼する恐れがあります。
電解液に炭酸材料の液体ではなく、金属を微粒子化したものを使用する技術も開発されています。人間と同じように、リチウムイオン電池にも適正な温度があり、だいたい15℃から45℃といわれています。低温時にはエネルギー容量が減少し、温度が上昇するとリチウムイオン電池の寿命は短くなってしまいます。自動車の内部では-30℃から60℃まで温度が変化してしまいます。温度管理にはデータの学習能力と技術が要求されます。数々の高度な技術の組み合わせによりハイパーパックは実現し、防犯カメラなどの社会貢献にも役立っているのです。

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