リチウムイオン二次電池は金属箔に電極材料を塗布して作られています。リチウムイオン二次電池の製造工程では、まずその金属箔を精製します。正極にはアルミニウム箔が使用され、負極には銅箔が使用されています。これらの金属箔はリチウムイオン二次電池に適した高品質なものを精製する必要があります。このアルミニウム箔や銅箔はロール状に巻き取られます。そして電極の製造のための焼成という工程を行います。
この工程では原材料を高温で加熱し、正極電極はリチウム系金属とその他の金属との合成を行い、負極電極は炭素の黒鉛化を行います。焼成した材料をバインダーや溶剤と混ぜてペースト状にします。正極材や負極材は細かい粒子状であり、これを結着し正極材や負極材の機能を最大限に発揮させる物質がバインダーで、リチウムイオン二次電池の製造において欠かせない材料です。
その後、電極材料をそれぞれの金属箔に塗布する塗工の工程があります。電極の成膜工程ともいいます。焼成した材料を正極はアルミニウム箔に、負極は銅箔に塗布し乾燥させます。ある程度乾燥させたところでプレスして密度を上げ、さらに乾燥させます。この電極箔は高い精度が求められますので、厚みが均一になるようにプレスします。
このように加工された電極箔は製品になる電池の形や大きさに合わせて裁断されます。その後、正極と負極の間に絶縁フィルムであるセパレータをはさみ、この正極、負極とセパレータが何層にもなるようにバウムクーヘンのように巻き取ります。この工程を巻回といいます。電池の形が筒状であれば円筒状に巻かれ、角形であれば形に合わせて扁平な角形に巻かれ、それぞれの缶に入れられます。缶底にあたる電極を溶接して電解液を注入し、蓋にあたる電極を溶接します。
最後に外装を組み立てて仕上げます。電池は完成後検査工程に回されます。電池を充電することで活性化させ、充電、放電などを繰り返したのちに出荷に回されます。リチウムイオン二次電池はこのような工程を経て作られているのです。