二次電池にはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などの種類がありますが、そんな中でもリチウムイオン電池は特に注目されています。
リチウムイオン二次電池のメリットは、まずエネルギー密度が高いことです。他のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池と比べると、同じ体積、重量で2倍、3倍のエネルギー密度が得られます。小型で軽く済むため携帯用機器の電源に最適です。次に、高い電圧が得られることです。ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池と比べると約3倍の電圧が得られます。つまり、同じ電圧を得るのに3分の1の電池の使用本数ですむということです。
また、リチウムイオン二次電池は高出力は苦手で産業用など高出力が必要な場面にはニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池が使われていましたが、最近では放流電流が4Cや5Cという高性能なものも出ています。
二次電池は繰り返し充電して使えるものですが、よく繰り返し使ううちに充電のもちが悪くなるということを言われます。これは浅い充電と放電を繰り返すことで電池自体の容量が減ってしまうもので、メモリー効果と言われます。ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池では常にこれが起こりますが、リチウムイオン二次電池にはこのメモリー効果はありません。いつでも継ぎ足し充電ができ、充電するために電池を放電させる必要もありません。
また、この充放電のサイクルの寿命が長いのもメリットです。500回以上の充放電を繰り返しても問題なく、使い方によっては1000回以上でも可能です。充電に関しては、急速充電が可能だということもメリットです。
さらに、充電式の二次電池は使わずに置いておくと少しずつ自然に放電していくという自己放電の現象が起こりますが、リチウムイオン二次電池は自己放電率が月に5%で、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池の5分の1という低い値です。一度充電すれば数ヶ月そのまま放置しても再充電せずに使用できます。
安全性の面でも、以前はリチウムイオン二次電池は発火などの問題があり危険だというイメージもありました。しかし、現在はほとんどの場合保護回路が設置され過充電、過放電や温度などが管理されていて、高い安全性が保たれています。