コラム

リチウムイオン二次電池のデメリット

リチウムイオン二次電池のデメリットはなんでしょうか。
リチウムイオン二次電池は他の二次電池と比べるとエネルギー密度が高いため、本来危険性が高い二次電池と言えます。リチウムイオン二次電池は電解液に有機溶媒を使用しているため、高温で発火する危険性があり、過充電や過放電でも発熱の恐れがあります。

メリットであるエネルギー密度の高さから小型化、軽量化が図れるため携帯用の小型機器のバッテリーに使用されることが多いのですが、小型化のために保護機能や充放電条件などがぎりぎりで作られていることも多いのです。このエネルギー密度の高さゆえに、ショートしてしまうと発熱しバッテリーが極度に膨らんだり発火したりする恐れがあります。
2006年にはノートパソコンのバッテリーが不具合を起こして発火するという事故が起こりました。また携帯電話でも電池パックが取り付けできないほど異常に膨張してしまうという事故も起こりました。これらの不具合では多くの製品が回収になるといった大きな問題となりました。
このような性質から、リチウムイオン二次電池には高度な安全対策が必要とされ、保護回路などの多重の安全装置が備えられています。ただ、こういった安全対策のためにコストがかさんでしまうというのもデメリットの一つと言えます。

最近では小型機器だけではなく大型機械や自動車業界などの産業用としてもリチウムイオン二次電池の利用が進んでいます。しかし、こういった業界でもトラブルが発生しています。
飛行機のボーイング787型機にもリチウムイオン二次電池が採用されていましたが、過熱発火のトラブルを起こししばらくの間運行停止となる騒ぎとなりました。また自動車でも過熱発火により部品の一部を溶かしたというトラブルが起こりました。
こうした過熱のトラブルを防ぐため様々な安全対策が施されているのですが、事故時の対策を考えて自動車のバッテリーとしてはニッケル水素二次電池が採用されることもあります。

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